現在、プロレスから離れて独自の格闘技路線を行く猪木への弟子入りで、小川のレスラーとしての新日本プロ入門は当面見送られる。「今度、大きいヤツが来る」とうれしそうに話していた猪木にとっても、まずは素質を持つ小川を世界最高の格闘家に育てることが最大の目標となる。

いくら世界王者といっても、プロレスでは素人。一人前になるには時間もかかる。しかし、柔道を生かした「総合格闘技」なら即戦力間違いなし。39日後に迫った4月12日の東京ドーム大会では、柔道世界一の誇りを胸に柔道着を着用しての登場となる。猪木の「闘魂」をその巨体に宿し、小川がリングに上がる。

 ◆小川の今後 小川が第二の人生をいきなりプロレスではなく、総合格闘家に求めた選択は正しい。現在最も注目されているのはどんな試合にも対抗できる格闘家で、スタイルが幅広い日本のプロレスでいえばパンクラスが筆頭株だ。

現に総合格闘家としてWWFに入ったケン・ウェイン・シャムロックもパンクラスで活躍した選手だ。相手が距離を保った場合は蹴りやパンチで応戦。組んでくる選手には投げからひじ、腕などの関節技に入る。また、後ろに回っては首絞めなどの攻撃にも移行できる。

 小川には柔道というきちんとした下地があり、投げから抑え込みに入るタイミングなどは、柔道の試合でも実証済み。足払いを発展させた本格的な蹴りをマスターできれば、怖いものなしの格闘家となる。