4階級制覇王者ローマン・ゴンサレス(29=ニカラグア)が、0-2の判定(112-114、112-114、113-113)によるプロ初黒星で初防衛に失敗した。

 13連続KO勝利中の元同級王者で同級2位シーサケット・ソールンビサイ(30=タイ)に対し、初回にダウンを奪われ、流血を続けながら激しい打ち合いを演じたが、惜しくも敗れた。

 1回にいきなり衝撃シーンに見舞われた。残り40秒を切ったところで、シーサケットの右ボディーが当たったタイミングで頭同士も激突してバランスを崩し、ダウンを喫した。さらに3回には偶然のバッティングで左目上をカットする事態に。流血激しく、負傷判定になれば不利な状況。しかし、ここから持ち味の流れるようなコンビネーションを全開に、猛攻に打って出た。的確な打撃で接近戦を有利に展開し、最後まで激しい打ち合いをリードしたかに見えた。

 米老舗ボクシング専門誌「リングマガジン」選定の「パウンド・フォー・パウンド」(全階級通じての最強選手)1位の愛称「ロマゴン」の予期せぬ敗北。WBO世界スーパーフライ級王者井上尚弥(23=大橋)との対戦が期待されていただけに、日本のファンにとっても残念な結果となった。この日生中継したWOWOWでゲストを務めた井上は「言葉がみあたらない」と述べるしかなかった。