ボクシングのロンドン五輪金メダリスト村田諒太(31=帝拳)が世界初挑戦するWBA世界ミドル級王座決定戦が20日、東京・有明コロシアムで行われる。

 村田は15日、都内の帝拳ジムで3回のスパーリングを行い、計121回として王座決定戦に向けた実戦調整を終えた。対戦する元世界王者アッサン・エンダム(フランス)のこの日の公開練習を見た田中トレーナーから、「村田に有効だと思えるアッパー系のパンチをやっていた」と聞くと、ミット打ちなどで防御を確認。「リングの上ではライオンになる」と豪語するエンダムの「牙」に対し、「相手もただ下がるだけでなく、重心下げて、押し返すことを考えると思う」と、しっかり対策を練った。

 相手陣営の練習法にも泰然としていた。トレーナーのディアス氏は長くアマチュアのキューバ代表を指導し、この日も番号で指示した場所を打たせるミット打ちや、リング内でのシャトルランなどの珍しいメニューを見せたが、「ロシアからキューバに教えられたものだと思う」と冷静に分析。「結局は試合は本能的なところになるので」と意に介さなかった。