「西日本ボクシング協会」(大阪市浪速区)の金沢英雄会長(61)を脅し、会長権限を委任するという内容の書類を作らせたとして、大阪府警捜査4課などは28日、強要の疑いで、中外ボクシングジム(香川県坂出市)経営山本末広容疑者(64=同市)ら4人を逮捕した。

 ほかに逮捕されたのは大星森垣ボクシングジム(大阪府枚方市)経営森垣武彦(76=枚方市)、ホワイトフォックスジム(兵庫県明石市)経営西林秀峰(40=神戸市垂水区)、同ジム従業員長江あやの(32=垂水区)の3容疑者。

 同課は、背景に協会の主導権争いなどのトラブルがあったとみて、実態解明を急ぐ。

 調べでは、4人は協会の実権を握るため、会長の権限を山本容疑者に委任させようと計画。

 昨年7月12日、大阪市内のホテル一室に金沢会長を呼び出し「委任するように書いてくれ」と怒鳴ったり、西林容疑者がはさみを自分の腹部に突き付けながら「腹を切ったる」と脅したりし、委任状を作らせた疑い。

 4人とも「脅して書かせたものではない」と容疑を否認している。金沢会長が府警に相談した。

 昨年11月に中外ボクシングジムが開催した大会の最高名誉顧問に指定暴力団山口組の直系組長が就いていたといい、同課は暴力団との関係も捜査する。(共同)