<バトル大賞:女子プロレス部門>

 アイスリボンのさくらえみ(33)が最優秀選手賞(MVP)を獲得した。読者が選ぶ「日刊バトル大賞」の女子プロレス部門で、得票率で38%を獲得。さらに田村欣子(33=NEO)戦(5月5日、NEO後楽園ホール)が最高試合に、JWP認定タッグ、デイリースポーツ認定女子タッグ、インターナショナル・リボンタッグと3本のタッグ王座を獲得した米山香織(28=JWP)とのチーム「よねざくら」が最優秀タッグ賞に選ばれ、3部門の受賞となった。また、敢闘賞を真琴(20=アイスリボン)、技能賞を藤本つかさ(26=同)が獲得したため、全部門をアイスリボン勢が受賞する快挙となった。

 さくらは5月にNEOシングル2冠、7月にJWPタッグ2冠、9月にアイスリボンのタッグ、10月にシングルと、ベルトを次々に獲得。敗れはしたが、12月6日にはJWP認定無差別級王座に挑戦し、翌週には引退を2週間後に控えた日向あずみをタイトルマッチに引っ張り出すなど、試合の勝敗に関わらず、常に話題を振りまいた。09年プロレス大賞では5年間「該当者なし」が続いた女子プロレス大賞を受賞。まさに、さくらが女子プロレスの中心となって盛り上げた。

 さくらは「ファンの方に選んでいただけたということで1年間頑張ってよかった。今年で死んでもいい!

 人生の頂点!」と喜びながらも「プロレスラーの評価する基準が変わってきているのかな。試合だけでなく、そのときの流れや背景もあったと思うし、雰囲気で押し切った」と分析する。2年前と同一カードで受賞した最高試合については、同試合が高橋奈苗の欠場により急きょ決まった試合であったことをあげ「もともと存在しない試合が存在したことで印象に残った。これも雰囲気。今年の漢字3文字は雰囲気」と、試合内容だけではなく、流れによる評価もあったことを強調した。

 しかし、今回の結果は団体の勢いを証明した。1月に道場兼常設会場を埼玉県蕨市にオープンし、8月は後楽園初進出で満員、11月には大阪に初進出を果たした。来年も名古屋初進出が決定し、仙台女子への乗り込みをぶち上げるなど、その勢いは止まりそうにない。「今年評価されたことが来年から当たり前になるように、今年の勢いを来年は力に変えていく。見たらもっと面白くなる女子プロレスを、みんなに見てもらいたい」と、アイスリボンの熱を全国に広げることを誓った。