<プロボクシング:ライトフライ級ノンタイトル10回戦>◇29日◇大阪府立体育会館日本ミニマム級6位○井岡一翔(20=井岡)判定3-0WBC世界ライトフライ級12位×国重隆(33=大阪帝拳)<1回>

 井岡は左のジャブを出して様子をうかがう。サウスポーの国重も間合いをあけている。井岡は右を出していくが、クリンチでかわされる。1分半過ぎ、相手のワンツーをもらってしまう。井岡は前に出ていくタイミングをうかがっていくが、先に相手に飛び込まれて左を食う。<2回>

 井岡は積極的に前に出ていき、ボディーの反撃を食らうが右で顔面をとらえる。互いに距離を詰めていくが、すぐクリンチになってしまい、両者気合が空回りしている感じか。井岡がロープに相手を追い詰めていくが有効打はない。国重は飛び込んで組みつき、状況打破を目指している。<3回>

 この回もジャブの出し合いから、クリンチになってしまいなかなか打ち合いにならない。1分過ぎに井岡の左で国重が倒れたがこれはスリップ。1分半過ぎには国重の左が顔面にヒット。国重は変わらず、飛び込んでクリンチに持ち込むが、井岡は焦らずに様子をうかがっている。<4回>

 井岡は右ストレートを出すが、国重はやはりクリンチ。井岡がロープに追い込んでいく場面が多くなり、30秒過ぎには右が顔面をとらえた。井岡が左ジャブを出しながら前に出ていくタイミングをうかがうが、国重は左ストレートをヒットさせ、それを許さない。<5回>

 開始直後に国重がワンツーを決める。国重は飛び込んで左を出した後、すぐにクリンチに持ち込む。我慢比べの様相だが、井岡は距離を詰めて、攻める手を止めない。残り30秒でコーナーに追い詰めた井岡が右の顔面で、相手をぐらつかせ、さらに左を顔面に一発。しかし、決定打とまではいかなかった。<6回>

 徐々に井岡が差を詰めて、ロープに追い詰めていく。国重は踏み込んで左を出したいが、井岡のカウンターのボディーをもらってしまう。残り1分半で井岡の連打が顔面をとらえる。残り50秒で井岡が右で顔面をとらえるとコーナーに追い込んで連打。井岡が流れをつかんだか。<7回>

 井岡が強打を出しながら前に出ていく。先のラウンドを取り返すべく国重も前に出てくるが、井岡の右アッパーと右ボディーが強烈。「国重コール」をバックに積極的に前に出ていく国重だが、井岡は冷静にカウンターを当てていく。最後は井岡が相手を呼び込むポーズ。井岡の余裕が目立つ。<8回>

 長いラウンドは初めての井岡だが、疲れはまったくみせず手数で上回っている。国重は右のジャブを出して、前に出ていくが井岡にはヒットせず、クリンチになってしまう。井岡は距離をとりながら、積極的になった国重が出てくるのを待つ。国重は最後に右で顔面をとらえた。<9回>

 国重はとにかく前に出ていくが、井岡は冷静にかわしている。1分過ぎ、井岡がカウンターの右フックから、連打をヒットさせる。残り40秒、国重はワンツーをヒットさせる。打ちあいになるが、国重はすぐクリンチし、井岡はややいら立っている。国重は残り20秒、偶然のバッティングで左目の上から出血した。<10回>

 井岡はKO狙いか、前に出ていく。スタミナに不安はまったくない。30秒でコーナーに追い詰め、左フックから右ストレートを当てる。井岡の手数が止まらず、国重は最終回も、クリンチでかわすしかない。井岡は最後まで攻め続けたが、ベテランの国重を倒すことはできなかった。判定は99-92、97-94、97-93の3-0で井岡が勝利。プロ3戦目で世界ランカーに完勝した。試合後は「判定勝ちで課題も見つかった。1戦でも早く、来年にでも世界のベルトを巻けるように頑張っていきたい」と話した。