<JWP>◇24日◇東京・後楽園ホール◇観衆871人

 JWPの至宝、JWP無差別級王者のベルトが中島安里紗(23)の腰へと巻かれる日が訪れた。王者・さくらえみを飛龍原爆固めでフォールし、流出していたベルトをJWPに取り戻した。

 8月にさくらえみ、米山香織組からJWPタッグ王座を奪取。さくらとの因縁はすでにこの時から始まっていた。試合を通して相手の水平チョップがを受け続けた中島の胸板は真っ赤にはれ上がった。逃げることなく受け続けながら突破口を探った。試合中にマイクを持ち出して歌うなど、JWPのカラーと反する行動をするさくらのつかめなさは相変わらずだったが、そのペースに巻き込まれることなくチャンスを待った。

 さくらえみ70キロ(フライングボディアタック)をキューティースペシャルで切り返した中島はヘッドバットをぶち込むと、自らの額が割れた。それでも攻撃の手を緩めることなく、最後は飛龍原爆固めを決めて、ついにさくらから3カウントを奪取した。

 昨年12月のJWP後楽園大会で復帰を発表し、リング上であいさつ。「2012年にJWPシングルとタッグのベルトを巻かなければ私が再デビューする意味はない」と誓った通りに、この1年でJWPシングルとタッグ、両方のベルトを巻くことに成功した。

 中島はリングにJWP所属選手を呼び込み「まだ先輩選手から勝ったことがない。初防衛戦をこの中からやりたい」と提案。

 ボリショイは、挑戦者決定トーナメント開催を即断、来年1月の各大会から実施することを約束した。

 新王者となった中島は「初防衛戦の相手はだれでもいいです。それに勝って、次は(同期の)松本浩代や、その世代の選手相手に防衛していきたい。来年JWPは4、8、12月と後楽園があるので、すべて自分がメーンを張ります。これがゴールじゃない。やっとスタートに立ったという感じです。JWPのストーリーをこれから自分が築き挙げていきます」と宣言した。