11月3日のIGF東京大会(JCBホール)で、15歳11カ月の専門学校生がプロレスラーとしてデビューすることが13日、分かった。IGFと提携するレスリングジム「UWF・スネークピットジャパン」で練習を積んでいる定晃(じょう・あきら)で、主要団体では15歳9カ月の中嶋勝彦(21=健介オフィス)に次ぐ、史上2番目の若さでのデビューとなる。定晃はこの日、都内で高田道場のサブミッションレスリング大会に出場した。

 猪木会長が率いるIGFに新星が誕生する。11月3日の東京大会で15歳11カ月10日となる定は、中嶋に次ぎ、船木の15歳11カ月18日を上回る史上2番目の若さでのデビュー。総合格闘技を主戦場とする桜庭、田村らを指導した「UWF・スネークピットジャパン」の宮戸社長は「レスリングの基礎技術は過去にないレベル」と太鼓判を押した。

 定は父伸博さん(50)の影響で3歳で初めてプロレスを観戦した。97年9月には川崎球場で行われた人生、ハヤブサ組対小橋、モスマン戦を観戦し、大ファンだったハヤブサが小橋に完敗。「おれがレスラーになって敵を討ちたいと思った」と、3歳のころには打倒小橋を誓ったという。

 宮戸氏のもとには伸博さんとともに小1から通い始めた。宮戸氏や、英国出身で新日本、全日本で活躍したビル・ロビンソン氏の指導を受け、小6ではレスリングの全国大会で3位。中1からは週6日、1日約3時間の練習を積んだ。

 この9カ月間で体重を11キロ増やし、88キロで挑んだこの日のサブミッションレスリング大会では鋭いタックルで相手を倒すなど非凡な才能を見せた。宮戸氏の推薦でIGFでのデビューが決まり「びっくりした。猪木さんの団体でプレッシャーはあるけど、夢がかなった以上、突き進むだけ」。専門学校で音楽を学んでいる15歳は初々しく話した。【塩谷正人】