<新日本:福岡大会>◇3日◇福岡国際センター◇6000人

 メーンのIWGPヘビー級選手権試合では、真壁刀義(37)が王者中邑真輔(30)を破り、4度目の挑戦で初めて王座を獲得した。必殺技のキングコングニードロップからの片エビ固めで、激闘を制した。新日本主力の挑戦などをことごとく退け、7度目の防衛戦に臨んでいた中村の左肩を新技で負傷させるなど、大一番で力を発揮した。

 新日本入団15年目の悲願達成だった。初タイトルを奪取しベルトを巻くと、両手を広げて感無量の表情。泣き喜ぶファンらとともに、感動を分かち合った。タイトル戦に向け「(中邑を)第一線から引きずり下ろしてやる」と話していた通り、王者を痛めつけた。ロープから新技の雪崩式パワースラムで投げ飛ばし、古傷の左肩を負傷させ、攻撃の手を緩めない。最後は、雪崩式原爆落とし、得意技のキングコングニードロップ2連発で戦意を喪失させ、片エビ固めで勝利を奪った。「最高だよ。入団したころは弱くて、しょぼいレスラーだったけど、力が見せられたな。覚悟が違うよ」と声を弾ませた。

 新日では上に永田・中西ら、下に中邑・棚橋ら強力なレスラーが存在感を放ち、「狭間の世代」といわれた。01年から約1年間の海外武者修行で悪役キャラを確立。ファンの認知度も上昇してきた。そして、昨年7~8月の新日本シングル最強決定戦「G1クライマックス」の決勝で中邑を撃破してタイトル奪取。「エリート街道」とは無縁だっただけに、自信になった。しかも、中邑は昨年9月、前王者の棚橋弘至が右眼窩(がんか)内側壁骨折で返上した王座をめぐり、王座決定戦で敗れた相手。リベンジも果たした。

 2月に真壁が挑戦して負けたノアの杉浦が王座防衛の対戦相手になる可能性が高い。ノアの最高権威のベルト、GHCヘビー級王者を持つ選手だ。真壁も「相手はだれでもいい訳じゃない。ノアに借りがある。それだけ重いベルト」と意気込んだ。【菊川光一】