【オークランド(ニュージーランド)16日=藤中栄二】石井慧(23=アイダッシュ)が8月にもSRCで国内第2戦に臨む強い姿勢をみせた。15日の「X-PLOSION」でキックボクシングのWKBFニュージーランド・スーパーヘビー級王者タファ“タンパー”ミシパティ(27)に1回1本勝ちし、初観戦の美香夫人(19)に白星を贈った。一夜明けた石井は6月4日の米ハワイ総合格闘技興行「X-1」出場に意欲をみせ、国内2戦目で藤田和之との対戦を熱望した。

 プロ2、3戦目と連勝し、美香夫人という強力な援軍を得た石井の胸に大きな自信が生まれていた。ミシパティ戦勝利から一夜明け、オークランドの観光名所、ワン・トゥリー・ヒルを訪問。標高183メートルの頂上にある先住民マオリに敬意を表した塔を見学し、放牧されているヤギにも遭遇した。南半球の美しい青空を眺めながら、石井は国内復帰戦を思い描いた。

 石井は「そろそろ国内2戦目をやりたい。SRCと1試合、契約が残るし、8月に大きな興行をやるようなので、そこでやれれば。藤田選手と対戦したい。(09年大みそか)吉田戦の負けをプラスマイナスゼロに戻せる相手が希望です」と話す。

 ミシパティ戦は無傷での白星でもあり、17日には米ハワイに戻って練習を再開する。次戦は6月4日、ハワイ総合格闘技興行「X-1」が確実で、すぐに対戦相手の調整に入る。プロ4戦目にはSRC向井社長が視察予定で、藤田戦を組むかどうかを“査定”される大切な機会。前夜の試合で打撃など新技を出せなかったことを猛省し「1枚1枚と紙を重ねるように練習し、紙一重の違いで勝てるようになりたい。次は打撃で勝ちます」と義務づけた。

 6月20日のSRC13(東京・両国国技館)に来場し、8月にも開催されるSRC14出場を宣言する予定。その直前にはハワイから帰国し、美香夫人と都内で新婚生活もスタートさせる。石井は「次の試合は自分の成長を含め、いろいろな意味で負けられない。国内で試合をやらないと生活できないですから」と、一家の大黒柱としての自覚をのぞかせていた。