WBC世界バンタム級に続き同フェザー級王座を狙う長谷川穂積(29=真正)が、世界6階級覇者マニー・パッキャオ(31)を引き合いに出して“飛び級”の2階級制覇を宣言した。22日、名古屋市のジムで練習を公開。26日に同級王座決定戦で対戦する同級1位ファン・カルロス・ブルゴス(22)がバンタムとの差を「クマとニワトリ」と表現したことに「体重差が関係ないことを、日本で証明したい」と言い放った。

 長谷川の静かな闘志がほとばしった。この日、自分の前に練習を公開したブルゴスがフェザー級とバンタム級の差を「クマとニワトリ」と発言。フェザー級一筋に25戦全勝を重ねた男の持論を軽く否定した。「ボクシングに体重差は関係ないことは、パッキャオが7キロ重いマルガリートに勝って、証明されている。それが今のボクシングの傾向。パッキャオと僕は比べようがないけど、流れに乗りたい。日本では自分が証明したい」。

 パッキャオは13日、WBC世界スーパーウエルター級王座決定戦でマルガリートを3-0大差判定で破り、史上最多タイの6階級制覇を成した。試合当日、両者の体重差は7・7キロもあったとされる。長谷川が世界王座を10度防衛したバンタム級はリミット53・5キロ、フェザー級は57・1キロ。パッキャオに比べれば、3・6キロ差は半分以下だ。

 ブルゴスは「6回までには試合が終わっていると思う」とKO宣言もしてみせたが「予言者じゃないんで、誰にも分からんでしょ」と気にも留めない。

 「ナチュラル・ウエート(普段の体重)は(ブルゴスより)多分、自分の方が重い。それにスピード、心の強さでも負けない」。すべてで自分が優位に立つことを力説した。

 公開練習では、世界戦前恒例だった山下会長とのスパーリングを取りやめた。クマのような?

 巨体の同会長のミットに、10連打などショートパンチを打ち込んだ。今回の世界戦用オリジナルTシャツは、胸に「GO

 FOR

 IT.

 JUST

 KEEP

 FIGHTING」とプリント。「意味は『勝つだけ』です。間違ってたら、すみません」と笑って説明した。

 くしくも11年前のこの日、99年11月22日にプロデビューした。今度はフェザー級という新たな世界へ、力強く第1歩を刻む。【加藤裕一】