総合格闘家・石井慧(24=アイダッシュ)がK-1番長撃破をステップに、K-1&総合の世界王座を持つ筋肉モンスターとの激突を目指す。大みそかの格闘技祭典Dynamite!!は今日31日、さいたまスーパーアリーナで行われ、石井はジェロム・レバンナ(38=フランス)とのヘビー級ワンマッチに臨む。30日に都内ホテルで行われた前日計量に出席。顔を合わせたアリスター・オーフレイム(30=オランダ)との対戦を希望した。

 緊張感は一気にほぐれた。前日計量を106キロで終えた石井はレバンナと視線を合わせた。120キロで計量を終了した強敵からフランス語で話しかけられると笑顔で握手した。石井は「勝敗を考えてもどうにもならない。明日は毎朝やっている太極拳をやってリラックスします。究極のリラックスをし、かつ相手パンチを受けても『柳に風』のように戦えればという目測です」と石井節を織り交ぜ、冷静に意気込みを示し、夕方の会見も昨年に続き欠席した。

 レバンナ戦は最強の男に挑むための、大きなステップとしてとらえている。視線の先には今年のK-1

 WORLD

 GP(WGP)を初制覇し、既に米総合格闘技ストライクフォース世界ヘビー級王座を保持するオーフレイムがいる。今月22日の対戦カード発表会見で同席したWGP王者との将来的な対戦を問われ「ベルトを盗みたい」と冗談ではぐらかした石井だが、本心は違った。

 石井

 総合でもK-1でも強いアリスター選手とは、いずれやらなあかんです。できるだけ早い段階でやらないといけないのかなとも考える時がある。戦って昏睡(こんすい)状態にはなりたくないけど、あの強さを体を張って確かめたいという気持ちがある。来年の大みそかに対戦ですか?

 ムフフ。

 米ロサンゼルス修行で「60億分の1」を倒した戦士からレバンナ撃破のヒントを得た。今年6月に旧PRIDE世界ヘビー級王者ヒョードルを撃破したファブリシオ・ヴェウドムから寝技やパンチ防御の方法を伝授された。石井は「ヴェウドム選手から『パンチして倒して殴れ』とシンプルに言われた。寝技ならばバンナ選手と結構いけますよ」と自信たっぷり。「地上最強」となりつつあるオーフレイムと戦う実力があることを、大みそか出撃で証明する覚悟だ。【藤中栄二】