<ノア:グレート・ボヤージュ>◇23日◇大阪・大阪府立体育会館◇4800人

 右肘のけがで欠場していたノアの鉄人・小橋建太(44)が23日、577日ぶりにリングによみがえった。ノアの大阪大会で09年12月23日以来の試合出場を果たした。潮崎豪(29)とタッグを組み、秋山準(41)斎藤彰俊(45)組と対戦。秋山に変型スターネストダストを決められ、28分9秒に体固めで敗れたが、豪快な逆水平チョップを披露して大阪のファンから大歓声を浴びた。

 小橋が復活の第1歩を踏み出した。欠場の原因の右肘に対して、秋山、斎藤組からチョップ、腕固め、腕折り、ストンピング、鉄柱攻撃と非情な攻撃を受けた。「あ~っ」と悲痛なうめき声をあげながらも反撃。秋山にブレーンバスター、雪崩式ブレーンバスター、裸絞め、さらには大阪での復帰に備えてあみ出したミナミの名所にちなんだ戎橋固め。斎藤にはハーフネルソン式原爆固め、ジャンピングネックブリーカーを繰り出した。

 10日にGHCヘビー級王者なったばかりの潮崎に見せつけるように、逆水平チョップを打ち込んだ。斎藤をコーナーに押し込み85連発のマシンガンチョップなど、128発の攻撃を右腕から繰り出した。03年3月からGHC王座を13回防衛して絶対王者と呼ばれた貫禄を見せつけた。

 過去5回の欠場の中でも、今回は最長。右肘部管(ちゅうぶかん)症候群と診断され、10年1月に手術。握力がなくなり箸も持てない状態から、復帰を目指した。この日の試合前には、リング上で1時間のウオーミングアップ。ヘッドロック、逆水平チョップ、ブレーンバスターを繰り返した。そして、ボディースラムを受け、試合用マットの感触を確かめるように何度も受け身を取った。

 小橋は「リングに帰って来られたのはうれしいけど、まだまだダメ。思ってるよりも動けなかったのがショック」と反省。それでも「みんなの応援をエネルギーにした。もう1度、1歩ずつ作り直していく」と口にした。次は、来月6日のノア旗揚げ11周年記念の東京・ディファ有明大会。本当の勝負はこれからだ。【小谷野俊哉】