朝鮮中央通信は19日、北朝鮮の最高指導者で国防委員会委員長の金正日(キム・ジョンイル)総書記が17日午前8時半、現地指導に向かう列車の中で急性心筋梗塞で死去したと報じた。69歳だった。

 北朝鮮の金正日総書記の死去について、IGFのアントニオ猪木会長(68)が、都内で会見した。猪木会長は「9月に訪朝したとき、お立ち台に立つなど健康を回復していたけど、爆弾を抱えていたんだと思う。驚いている。謹んでお悔やみ申し上げます」と話した。猪木会長は、新日本プロレス時代の95年に「平和のための平壌国際体育・文化の祝典」で北朝鮮初のプロレス大会を開催。2日間で38万人を集め、今までに22回訪朝している。

 今後の北朝鮮については「来年4月15日の故金日成国家主席生誕100周年を目標に精力的に動いていたが、すでに後継者の金正恩氏がいて、さしあたっての混乱はないだろう。実質は(金総書記の)義弟の張成沢国防委員会副委員長が国を動かしていた。人はいつかは旅立つもの。万が一に備えて準備はしていたと思う」と独自の分析をした。

 猪木会長が力を入れる拉致問題の解決の見通しについては、「時代は常に変わっていく。拉致も大切だが、極東のアジアの平和に目を向けることも大切。日本側が、どう変われるかが大切。総書記が亡くなったからといって、あちらが変わるとは思えない」と日本政府の柔軟かつ積極的な対応を求めた。