新日本のオーナー会社が電撃交代した。新日本は1月31日、都内で会見を行い、自社株式100%が、保有するゲーム製作・販売会社ユークスから、カードゲームを製作するブシロードの親会社、ブシロードグループパブリッシング(ブシロードGP)に同日付で譲渡されたと発表した。譲渡価格は5億円。

 会見にはブシロードGPの木谷高明社長(51)、新日本の菅林直樹社長(47)と約30人の所属レスラーが出席。木谷社長は「昨年8月末にユークスの谷口社長に『新日本をやらせていただきたい』と切り出し、話し合いを続けてきた」と話した。

 ブシロードGPはすでに新日本の選手を起用したカードゲームの開発にも着手。プロレスファンをゲームに取り込むとともに、プロレスラーの知名度アップを目指す。

 「(プロレスの)コミュニティーを取り込み、シナジー効果でカードもプロレスも世界一を目指す。WWE打倒が目標」(木谷社長)。新日本の年間売り上げは約11億円だが「3、4年で30億円に持っていきたい」と話した。

 新日本の体制には変化はなく、IWGPヘビー級王者の棚橋は「木谷社長の話は自分の今年の目標が『ジャンルを超える』なのでぴったり。新しいスタートを切りたい」と意欲を見せた。【小谷野俊哉】◆株式会社ブシロードグループパブリッシング

 02年10月1日、有限会社ナカ企画として設立。11年12月27日に社名変更。ブシロードグループのホールディング会社で、カードゲームの販売を行っている。11年7月期の売り上げは64億9000万円。子会社の株式会社ブシロードはカードゲーム「カードファイト!!ヴァンガード」の開発を行っている