新日本の前IWGPヘビー級王者・棚橋弘至(35)が来月16日の大阪大会(ボディメーカーコロシアム)で、オカダ・カズチカ(24)の王座に挑戦する。2月12日にオカダにベルトを奪われた同じ場所でのリベンジ戦。勝てば藤波辰爾(58)と並ぶ史上最多6度目のIWGP戴冠。7月1日に東京・両国国技館で行われる全日本との40周年記念合同興行に、王者として出場を目指す。

 12回連続の防衛を狙いながら、棚橋は新鋭オカダに敗れた。1週間後の仙台の3団体合同チャリティー、3月の旗揚げ記念日興行と、いずれもエースとしてベルトを巻いて出場できなかった。「オカダは素晴らしい。スタミナ、身体能力も超一流。王者になってからの4カ月で、ここまで評価を変えたレスラーはいない。でも、進化の速さは俺の専売特許。オカダ幻想の魔法を解いて、自信を取り戻して勝つ」と誓う。

 警戒するのはオカダの徹底した首攻め。「たくさんの技を出さないけど、関節技、1発のドロップキックと理にかなっている。でも、あの首攻めさえしのげば、大丈夫。逆立ちして昼寝とか、首を徹底的に鍛えます」と言う。

 先月20日から17泊18日の長期シリーズを終えた。小学3年の娘と小学1年の息子のパパだ。「家にいることが少なくて、寂しい思いをさせている。東京にいるときは一緒にいて、全力で遊んでいます」。道場の行き帰りには娘のバレエ教室の送り迎え。「息子とは『仮面ライダー』見てたんだけど、いつのまにかポケモンに夢中になってて。今、ポケモンを勉強中。でもポケモンにはプロレスのヒントがいっぱい。息子と遊びながら、オカダ攻略法を考えます」と笑う。

 7月1日の全日本との40周年合同興行ではメーンに登場するつもりだ。「エースはメーンじゃなくちゃ。そのためにもIWGPのベルトのレンタルは終了。俺の元に取り戻す」と言い切った。【小谷野俊哉】

 ◆棚橋弘至(たなはし・ひろし)1976年(昭51)11月13日、岐阜県大垣市生まれ。大垣西高時代は野球部。立命大時代にレスリングを始め、99年4月、新日本入門。同年10月10日、真壁伸也(現・刀義)戦でデビュー。06年7月にIWGPヘビー級王座を初獲得。07年G1クライマックス優勝。得意技はハイフライフローなど。181センチ、103キロ。血液型O。