プロレスラー藤波辰爾(58)の長男怜於南さん(18=立大1年)がプロレスデビューのため、5年計画で準備を進めている。4月20日の藤波辰爾40周年記念最終興行で、東京・後楽園ホールの超満員1500人のファンの前で「プロレスラーになりたい」と父に直訴。すでに1年前から、父のリング復帰を助けたトレーナーに付いて、体作りを行っている。

 アントニオ猪木ら80年代新日本全盛期のメンバーが集まった藤波辰爾40周年記念最終興行。怜於南さんは最後にリング下でマイクを握り「父親が上がっているリングに上がりたい。本物のレスリングを教えてください。プロレスラー藤波怜於南として、プロレスラー藤波辰爾の前に立たせてください」と父に直訴した。

 あれから1カ月以上。4月に立大に入学した怜於南さんは授業、ゴルフ部と忙しく過ごしている。父について「プロレスのいい面も、苦しい面も知っている。そして172センチの僕の体が不利なことも分かっている」。母伽織さんについて「現実は厳しいこと、親としてはやらせたくないと言っている。父の苦労を見てきましたから」と言う。

 だがプロレスラーへの道は、1年前から始まっていた。05年に父が2年3カ月ぶりにカムバックしたときのトレーナー中山恵之介氏の指導で、昨年4月から体作りを始めた。大学卒業までの5年計画だ。「強くて柔らかい筋肉をつけて、大きな体をつくる」と4年後を見据える。父藤波辰爾は「どのタイミングで、どういう風に関わればいいのか」と見守っている。

 05年に亡くなった橋本真也さん(享年40)の長男で、昨年デビューしたゼロワンの橋本大地(20)は「彼がうらやましい。リングで父親と戦って超えることが可能。僕には、それが出来ない。頑張って欲しい」。怜於南さんは「大地選手は、偉大な父親の名前を背負って戦っている。僕も頑張ります」。目標はレスラーデビュー、そしてその先の対藤波辰爾戦だ。【小谷野俊哉】

 ◆藤波怜於南(ふじなみ・れおな)1993年(平5)7月7日、東京・調布生まれ。99年立教小1年で初めてゴルフクラブを握る。03年第1回スナッグゴルフ対抗戦JGTOカップで立教小のメンバーとして全国優勝。06年立教池袋中入学。08年全国中学ゴルフ選手権で団体戦7位。09年立教池袋高入学。関東高校ゴルフ選手権に団体戦出場。12年立大法学部法学科入学。家族は父辰爾、母伽織さん、姉美有さん。172センチ、75キロ。