何もしないで飢餓感が増幅!?

 大みそか「INOKI

 BOM-BA-YE」(東京・両国国技館、日刊スポーツ後援)で元UFCヘビー級王者ティム・シルビア(36=米国)と総合ルールで激突する石井慧(26=I

 DASH

 RHINO)が29日、都内で3日間オフという異例の調整に入ったことを明かした。K-1番長ジェロム・レバンナ(40=フランス)の助言を取り入れ、28日から始めた。同日は栃木県の華厳の滝を観光してリラックス。再起戦を飾るため「真剣」にオフを満喫した。

 都内で取材に応じた石井の行動はオフモードだった。27日の公開練習を最後に一切、練習していない。大会PRのイベントには出席したが、トレーニングもしていない。石井は「昨夜は友人のライブに行きました。楽しかったです」と、リラックスした笑顔。夕方には栃木・日光市の華厳の滝まで足を延ばして気分転換し「マイナスイオンをいっぱい浴びると体にいいんですよ」と表情を和らげた。

 シルビア対策の指導を受けてきたK-1番長レバンナのアドバイスを実行に移した。11月からレバンナやDREAMライトヘビー級王者ゲガール・ムサシ(オランダ)のもとに出稽古し、猛練習を積んだ。特にシルビア戦決定後、ほぼオフなし。海外では練習漬けの毎日でもあった。

 石井

 レバンナやゲガールは試合3日前から一切、練習しないと言っていた。最後は体の疲労を抜いてリラックスした方がいいと。レバンナには「サッカー選手は3日間、練習しないとすごくボールを蹴りたくなる。その飢餓感が大事。お前はサッカー選手だ」と言われました。今回は2人が教えてくれた調整をやろうと思いました。

 昨年大みそかのエメリヤーエンコ・ヒョードル戦での1回KO負け以来、1年ぶりの再起戦となる。試合感覚などの不安要素もあるが、あえて勇気を持って「師匠」のアドバイスを受け入れた。石井が練習拠点を置く米国では29日(日本時間30日)に王者ドス・サントス-挑戦者ヴェラスケスのUFCヘビー級タイトル戦が開催される。石井は「どちらともいずれ対戦したい。大みそかは頑張らないと」。UFC傘下の団体ストライクフォースのスコット・コーカーGMも来日中のため「アピールしたいっす」。大胆かつ異例の3日間オフ調整が吉と出るか凶と出るか-。結果は大みそかに出る。【藤中栄二】