<プロボクシング:WBA女子世界ミニマム級タイトルマッチ10回戦>◇23日◇東京ビッグサイト

 王者多田悦子(32=フュチュール)が10度目の防衛に失敗した。元WBC王者の同級1位アナベル・オルティス(27=メキシコ)と対戦。終始プレスをかけ、左ストレートで攻めた。しかし手数で劣勢となり、1-2の判定負けでプロ15戦目の初黒星。11度防衛中の小関に続く日本2人目の大台はならなかった。

 多田は悔しさを押し殺して言った。「負けたとは思っていないが結果がすべて。言い訳になる。お客さんがどう思ったか」。採点結果には異議を唱えず、即座に「できるならまたやらしてもらいたい」と、再戦で雪辱を熱望した。初回からプレスをかけたが、メキシコ製グローブ、相手強打を警戒してリズムをつかめず。中盤からは「メチャクチャ効いていた」と左ストレートをボディーに見舞った。バッティングで左まゆを切ったが「ダメージは全然ない」。右腕を抱えられて使えなかったことを反省した。V10を機に複数階級制覇のプランは方向転換となりそうだ。