日本マット界初の3世レスラー誕生が迫る。16日に行われる力道山の没後50年追悼興行(東京・後楽園ホール)でデビューする「力道山3世」こと力(ちから、32)が、連日激しい練習で汗を流している。04年にノアの入団テストで不合格も、スポーツクラブで働きながら夢を追い続け、憧れの舞台にこぎ着けた。

 「技術はまだまだ未熟ですが体力的には自信がある。祖父のファンだった高齢の方が会場に来るきっかけになればうれしい」と力を込める。試合では力道山と同じ黒のロングタイツを着用予定で「けさ切りチョップもどこかで出したい」と目を輝かせた。

 力のデビュー戦で親子タッグを組む「2世」の百田光雄(65)は、大会に原点回帰の思いを込める。「今のプロレスは技が多彩だが、分かりにくい。父の時代のように相手の攻撃を耐え抜いて反撃する単純な戦いにお客さんは感動する。そんなプロレスの原点を伝えられればと思います」。力に対しては「精神的な部分は一子相伝(いっしそうでん)。気持ちを前面に出して戦ってほしい」と期待する。会場では力道山の試合映像も流される予定で、3世代の“共演”に注目が集まる。【奥山将志】