IBF世界スーパーフライ級6位帝里(ている)木下(28=千里馬神戸)が、12歳年上の姉さん女房にベルトをささげる。今日18日の同級1位ゾラニ・テテ(南アフリカ)との王座決定戦を前に17日、前日計量をリミットの52・1キロで一発パス。計量後は8月中旬に第2子を出産する摩由子夫人(40)手作りの特製スープを飲んで「手の込んだものを作ってくれてめちゃ愛情を感じる」と笑った。

 妻とは08年冬に出会って10年12月に結婚。長女もも子ちゃん(3)という子宝にも恵まれた。帝里は「めちゃめちゃ厳しくてしっかりしている」という。最近は財布を持たず、小銭と家のかぎだけを持ち歩く。お金が必要な時は「ちょうだい」といってジュース代をもらうくらい。ヨガのインストラクターでもある妻の支えで世界戦にたどりついた。摩由子夫人は「勝てば何でもいいです」と願い、当日は応援に駆けつける。

 帝里がジム通いで使う自転車には子供用座席が2つある。家族のため、生まれてくる子どものため、ベルトをつかむ。【益田一弘】

 ◆主なルール

 採点は10点法でフリーノックダウン制。4回までに続行不可の場合は引き分け、5回以降は採点。バッティングで負傷した場合、故意なら負傷のない選手から2点減点。引き分けた場合、王座は空位。当日も計量しグローブは日本製8オンス。レフェリーはデビッド・フィールズ、ジャッジはクリス・フローレス(ともに米国)デオン・ドゥワルテ(南アフリカ)中村勝彦(日本)。