WBA世界フライ級2位の亀田興毅(22)が来年1月31日、メキシコで同級14位エベルト・ブリセノ(30=ニカラグア)との対戦を計画していることが23日、分かった。2人とも日本では未公認団体IBFの世界ランク入りしていることから、その対戦が「IBF世界フライ級王座挑戦者決定戦」と銘打たれて行われる可能性も浮上している。

 当初、年内の2階級制覇を目標に掲げていた亀田は一時、WBC王者内藤をターゲットにしていたが、交渉は10月中旬に決裂。8月のメキシコでの試合を最後に実戦から遠ざかっているため、早期の試合実現を希望し、来年1月の世界前哨戦の計画を立てたようだ。

 しかし、IBFは日本未公認の団体のため大きな問題も立ちふさがる。ルール上の明記はないとはいえ、原則として日本のジム所属選手は日本ボクシングコミッション(JBC)が公認する団体のWBA、WBC以外の世界戦には出場できない。83年8月には国内の関係者が日本IBFを設立し、JBCから除名処分を受けた。JBC安河内事務局長は「世界王者の価値を守るためにも、団体の乱立は防ぎたい」と、現時点でも公認する動きはない。

 亀田がIBF王座への挑戦を前提とした「挑戦者決定戦」を強行すれば、JBCはもちろん、ジムの会長が集まる日本プロボクシング協会ともに反発は必至で、処分を求める声が出ることも予想される。このため現時点では「挑戦者決定戦」という位置付けをやめて対戦するか、試合が延期か中止となる可能性もある。