ミルコ復活へ「DREAM」に電撃参戦!

 ミルコ、日本で復活だ-。新総合格闘技団体「DREAM」へ、ミルコ・クロコップ(33=クロアチア)が参戦することになった。06年12月30日に米国の総合格闘技団体UFCへの参戦を表明してから約1年2カ月。「2年6試合」という契約のまっただ中で、なぜ日本の新団体に参戦するのか?

 全権代理人を務める今井賢一氏(44)が14日、日本で再起をかけるミルコの思いを明かした。

 「復活は自分を育ててくれた日本のリング、何より愛する日本のファンの前でという思いがあるはず」。全権代理人を務める今井氏は、ミルコの現在の心境をそう代弁した。昨年から参戦したUFCでは、1勝2敗というふがいない成績。今井氏は不振の原因を「貧しかった生い立ちからすべてを手に入れたことで、ミルコの心にスキが生じたからだろう」と指摘する。

 母国クロアチアの内戦で父を失い、家族で唯一の男として母と姉を支える立場になった。そんなミルコが選んだのは、警官という職に就きながら格闘技の試合に出場することだった。K-1やPRIDEで活躍して名をはせると、03年には国会議員に初当選。苦しかった生活も徐々に豊かになっていく。そして昨年、満を持してUFCへ。同団体との契約は、2年6試合で数十億円とまでいわれるほど破格の内容だった。

 だが名声と富を手にしたことで、ミルコはかつて持っていたハングリー精神や戦うモチベーションを失ってしまった。加えてUFCの「オクタゴン」と呼ばれる戦場は独特の8角形をしており、PRIDEのリングがスッポリ入ってしまうほど大きい。それまで培ったリングの感覚を取り戻せないまま試合が組まれ、気付けば1勝2敗という絶不調に陥った。事態を重く見た今井氏は米・ネバダ州ラスベガスに何度も飛び、UFCのダナ・ホワイト代表(38)に相談。6試合契約の半分しか終えていなかったが「ダナの寛大な温情。『復活した際には真っ先にUFCへ戻る』という条件付きで、自由契約を了承してもらった」という。

 ファイターとしてキバの抜けたミルコをどこで復活させるか?

 折しも昨年末から今年にかけ、日本格闘技界は大連立の動きが加速した。そんな中、HERO’sと旧PRIDEが合体した新団体「DREAM」が発足。ミルコ側も、それを受ける団体側も何ひとつ確定要素がない中だっただけに「綱渡り状態。このタイミングでしか実現しえなかった」。絶妙のタイミングで両者の思惑が一致し、電撃参戦が決定した。

 かつて持っていた冷徹なまでの強さと誇り-。それを取り戻すのは、愛すべき日本のリングとファンなしではあり得ない。格闘家として大切なものをもう1度手に入れるため、ミルコは来月15日「DREAM」のリングに立つ。[2008年2月15日8時18分

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