1日限定で復活した高見盛が「超ショック」を受けた。ネット世代とコラボした「大相撲 超会議場所」が開催され、引退した力士によるOB戦に元小結高見盛の振分親方(38)が参戦。現役最後の相手だった元小結若荒雄の不知火親方(31)に押し出しで敗れた。

 「うれしい」と笑顔全開の不知火親方とは対照的に、振分親方の表情は沈んでいた。引退した13年初場所の千秋楽で勝っていた相手に、無残に敗れた。「右を差そうと思ったけど、体が動いてくれない。やっぱり、だめだった」。現役時代の敗戦後と同じようにマジで落ち込んだ。

 ロボコップと言われたかつての気合注入動作も再現したが、効果なし。体重も引退後は15キロ減って125キロまでしぼんだ。「高見盛に戻れるかなと思ったけど、もう高見盛じゃなくなってるんだな。はぁ…」。

 待っていたのは悲しい結末だったが、会場を盛り上げたのは確か。この日の大相撲ネット視聴者も約8万7000人に上った。「いろんな世代が相撲を見てくれるという意味では、勝ち負けよりうれしい」。若いファン開拓に貢献した自負はある。でも、悔しい。「なんで負けた自分に聞きに来るの? 余計みじめになるじゃない。はぁ…」。最後まで、ため息は止まらなかった。【木村有三】

 ◆高見盛-若荒雄VTR(13年初場所千秋楽) 東十両12枚目の高見盛は、4勝10敗と幕下陥落確実な状況で、同3枚目の若荒雄と対戦。激しい突っ張りに耐えて肩透かしで勝利も、取組後に東関親方(元前頭潮丸)と先代東関親方の渡辺大五郎氏(元関脇高見山)に引退の意思を伝え、同夜に引退会見が行われた。