大相撲夏場所で初優勝した関脇照ノ富士(23=伊勢ケ浜)の大関昇進が、今日27日に正式に決まる。昇進伝達式を翌日に控えた26日、照ノ富士は「何かの言葉じゃなくて、自分の気持ちを言いたい」と話した。報道陣から四字熟語の本を贈られたが「これ読んでも分かんないよ」とけむに巻き「間違えたらどうしよう。恥ずかしいな。忘れちゃったらどうしよう」と早くも緊張気味。短くてシンプルな口上になりそうだ。

 会見で過去の伝達式の映像を見ると、兄弟子の横綱日馬富士が目に留まった。「全身全霊で相撲道に精進します」と述べる姿を、モンゴルのテレビで見ていた。当時は日本語も分からなかったが「意外と短いんだな」と何度も見返して所作も確認し「謹んでお受けいたします。簡単に(関脇に)落ちないように頑張ります」と披露して笑わせた。

 両親は都合が合わずに来日を見合わせたが、昇進後の楽しみは「車で国技館に入ることかな」と、大関以上の力士にのみ許された特権に心を躍らせる。師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)や日馬富士からも助言を受け、猛練習は済ませた。「リラックス、リラックス」と言い聞かせ、歴史に残る“大一番”に臨む。【桑原亮】