横綱白鵬(30=宮城野)が、35度目の優勝に王手をかけた。立ち合い。大関稀勢の里(29)が一瞬、立つタイミングを逸したスキを逃さない。左の張り手は空振りしたが、強烈な右はず押しから、素早くもろ差しになり、一気に寄り切った。先場所は苦杯をなめて、V逸の要因となった相手に完勝。「昨日ちょっと立ち遅れた分、今日はしっかり当たろうと思った。一直線で手も足も出て、いい相撲だった」と自画自賛した。

 千秋楽は鶴竜との横綱決戦も、1差リードの利は大きい。「相星より、1つの差で迎えるのは全然違いますからね」ときっぱり。明日27日にモンゴルに帰国し、29日には2月に受賞した労働英雄賞の祝賀会に出席する。最高の手土産を持って母国に凱旋(がいせん)する態勢は整った。