2場所連続優勝を狙う横綱日馬富士は、西前頭筆頭の松鳳山に敗れて早くも土がついた。

 どん底を味わった松鳳山が、うれしい2個目の金星だ。先場所優勝の日馬富士に対し「頭が割れるかと思った」ほど激しくぶつかる。押し返されたところで、右からのすくい投げ。「タイミングが良かった」。同じ相手から奪った13年秋場所の初金星では泣いたが、この日は笑った。

 昨年夏場所、21場所続けた幕内から十両に陥落。しかも負け越した。小結も務めた男は「やめようかな」と引退も考えた。だが、あい夫人から「やめればいいじゃん」と言われて目が覚めた。「オレやりきったかなと考えたら、やりきってなかった。だったらもう1回頑張らないと」。最近、相撲で遊ぶ長男志希也(ゆきや)ちゃん(2)のためにも奮起した。秋場所で十両優勝、再入幕の先場所は12勝で敢闘賞。幕内上位に戻った今場所も好転した流れは止まらなかった。

 「(年始)最初の勝ちが金星。うれしいですよ」。勢いに乗り、今日3日目は白鵬に挑む。【木村有三】