昨年12月の八角理事長(元横綱北勝海)就任後初となる日本相撲協会の理事候補選が29日、東京都墨田区の両国国技館で行われた。

 新しい船出となるはずの選挙も今後の理事長選を見据えてか、当選した理事候補たちは険しい表情だった。

 八角理事長は「3月の評議員会で承認されるまで(理事に)決まっていない」と言葉少な。ナンバー2に相当する事業部長を務め、普段は温和な尾車親方(元大関琴風)も「ノーコメント」と記者を寄せ付けなかった。

 2人に次ぐ立場の総合企画部長、貴乃花親方(元横綱)は政権交代の主役と目される。若手親方衆の支持があり世間の人気も高いが、この日は囲もうとした報道陣を手で制した。激化する権力闘争を憂慮する声も。現役時代は怪力で鳴らした浅香山親方(元大関魁皇)は「誰かのためでなく、協会のために全員が頑張らないと」と団結を求めた。