横綱白鵬(31=宮城野)が、自身の持つ最多記録を更新する37度目の優勝を決めた。

 日馬富士(32=伊勢ケ浜)との横綱対決は、相手十分の右四つから振り回されたが、右で振って上手を切ると一気に寄り切って14連勝。直後の結びの一番で、1敗の大関稀勢の里(29=田子ノ浦)が横綱鶴竜(30=井筒)に敗れたため、勝ち残りの土俵下で優勝を見届けた。

 支度部屋に戻ると「水がうまい! ジュースみたいに甘い」と、41秒8の激闘を振り返った。相手が負けて優勝が決まるのは久しぶりで「最近、覚えがないような…今までは自分が勝って優勝というのが多かった」。それでも聖地、両国での優勝は1年半ぶりとあって「優勝は優勝。素直に喜びました」と笑みがこぼれた。

 場所前は左膝痛に悩まされるなど万全ではなかった。序盤は駄目押しとも言われかねない行為を連発して物議も醸したが、終わってみれば貫禄勝ち。その要因を「気迫ですかね。やっぱり1000勝というのが、私を別人にしてくれたかもしれない」と言う。横綱10年目を迎える名古屋場所(7月10日初日、愛知県体育館)での大台達成を目標にしており、マジックは「14」まで減った。「まだ終わってないんで、細かいことは明日。とにかく、一番一番。この2日間の相撲を思い出しながらやっていくだけ」。大横綱の力を、最後まで示すつもりだ。