大相撲秋場所(9月11日初日、東京・両国国技館)で3場所連続で綱とりに挑む大関稀勢の里(30=田子ノ浦)が30日、都内の部屋で本格的に始動した。新関脇高安との三番稽古ではいきなり5連敗して「最初は体が目覚めなかったね」と苦笑いを浮かべたが、汗まみれになりながら計25番(18勝7敗)をこなした。「番数をこなして、体を起こすのが今日の目的。どんどん動いて良くなった」とまずまずの表情だった。

 右足かかとの痛みで休場した夏巡業前半は、基本で体づくりに時間を割いた。「稽古というと、どうしても番数にとらわれがちで、基本だけだと『軽く汗を流す』と言われる。でも、決して軽くないんですよ」。基本に立ち返り、みっちりと汗をかいてきたからこその言葉。後は実戦で感覚を取り戻すだけ。では、この日の稽古の感触は…。尋ねられると「軽く汗をかきましたよ」と笑い飛ばした。