大相撲の春日山親方(39=元前頭浜錦)の師匠辞任に伴い、力士12人がさる19日に引退届を提出したことに対して、日本相撲協会の春日野広報部長(54=元関脇栃乃和歌)は27日、若干名の力士が復帰の意向を持っていることを明らかにした。

 19日の引退届提出後、同協会はこれを受理せず、預かりの形で保留していた。19日に春日山親方が、理事会が勧告した師匠辞任を受諾したが、力士には誤解を招く説明があった可能性があったためだという。

 そのため、この日までに危機管理部長の鏡山理事(58=元関脇多賀竜)が12人に対し、電話で意思を確認。それによると、春日山親方の説明に不備があった可能性もあるといい、また1度は引退届を提出したものの相撲に対する夢を捨てきれない者もいたという。「新しい師匠(追手風親方=元前頭大翔山)の元、もう1回、相撲を取りたいという数名がいた」と春日野広報部長。一方で、引退の意思を明確にしている初志貫徹の力士もいたという。

 春日野広報部長は、今後の対応について当面は「今の状態を続けていくという見解に至りました」と説明。31日に九州場所(11月13日初日、福岡国際センター)の番付発表を控えることもあり、性急な結論を求めることはせず静観する姿勢だ。また、今後も土俵復帰の意思がある力士が増える可能性についても言及。師匠の追手風親方や、実際に指導する中川親方(元前頭旭里)と意思疎通を図った上で、判断は一任する姿勢も示した。