新横綱稀勢の里(30=田子ノ浦)が7日、春場所(3月12日初日、エディオンアリーナ大阪)へ向けて土俵内での稽古を再開した。大のアメフット好きで知られ、前日はNFLの頂点を決めるスーパーボウルをテレビ観戦。ペイトリオッツの大逆転を演出した39歳のQBブレイディに刺激を受けていた。

 稀勢の里が土俵に入り、小結高安と11番取って9勝。5日に優勝した「(大相撲)トーナメントで出来上がった」と話した通り、立ち合いで力強い踏み込みを見せた。横綱昇進後、土俵内での稽古は初めてだったが「しっかり自分の形になってた」と納得の内容だった。

 スーパーボウルから刺激をもらった。過去には日本一決定戦のライスボウルでテレビ解説の経験があるほどのアメフット好き。ペイトリオッツの25点差逆転勝利には「10-0なら(ファルコンズが)勝ってた」と指摘した。4度目のMVPを獲得したQBブレイディについては「やりそうな感じはしてた」と、自らの目利きを口にした。

 39歳のベテランの活躍は、自分にも通じる部分がある。稀勢の里は7番目の年長記録(昭和以降)となる30歳6カ月、新入幕から最も遅い所要73場所で横綱に昇進した。ブレイディの活躍に不思議はない。「科学は進化してるよね。食事もトレーニングも変わってきてる。体が強くて経験があれば何でもできる」。30歳の“新米”横綱稀勢の里の挑戦は始まったばかりだ。【佐々木隆史】