10代関取を目指す西幕下筆頭の貴源治(19=貴乃花)が、3勝2敗同士の勝ち越しを懸けた一番で、東幕下3枚目の岩崎(24=追手風)と対戦。持ち前の突き押し相撲で攻め込み、突き出しで快勝。勝ち越しを決め、来場所の新十両昇進を有望にした。

 師匠の貴乃花親方(元横綱)からこの日朝、京都・宇治にある宿舎を出る際に「10場所後に(十両に)上がる気持ちで、勝ち負けは気にせず、時間をかけて汗をかきなさい」と、場所前からかけられている言葉で諭されて臨んだ一番だった。それを実践し「負けても攻める相撲を取ろうと思っていました」と話す、初心に戻った姿勢が実を結んだ。

 師匠からは18歳になる2年前までは、18歳のうちに関取になるよう言われていたという。そのせいか新十両昇進を果たしても、5月に20歳になるため「2年は遅かった」と言い、その遅れを取り戻すべく「今年中には幕内に上がりたい」と目標を設定した。

 ただ、この日、西十両14枚目の富士東(玉ノ井)の負け越しが決まり、現状で十両昇進への枠は1。東幕下筆頭の阿夢露も3勝3敗でこの日負けた西幕下3枚目の明生(立浪)も5勝1敗と星を伸ばしている。貴源治も4勝のままでは、昇格の優先順位によっては、筆頭とは言え西から東への「半枚上がり」にとどまる可能性もある。新十両の座を確実にするためにも、次に控える最後の7番相撲も重要になってくる。