大相撲の横綱審議委員会が27日、東京・両国国技館で開かれ、春場所で優勝した横綱稀勢の里(30=田子ノ浦)に称賛の声が上がった。北村正任委員長は「大変ドラマチックな結果だった。委員の中で批判はなかった。私もそう思う。普段相撲を見ない人も感激していた」と左肩付近を負傷してでも土俵に立ち、逆転優勝した姿に感嘆した。都倉俊一委員も「鶴竜に負けたけど出てきた。終始右でいったところに彼の覚悟を感じました。(横綱に)推薦して本当によかった」と話し「肩を治してもらって、あと4年ぐらいは大いに暴れてもらわないと困る」と、さらなる活躍に期待した。

 優勝同点だった大関照ノ富士(25=伊勢ケ浜)についても言及。北村委員長は「最後まで優勝争いをしたのは照ノ富士だけ。膝が悪い中で頑張った。ケガをきちっと治して欲しい」と話した。夏場所(5月14日初日、東京・両国国技館)での綱とりについて都倉委員は「年間勝率も考えるべきだという話も出た。今場所が起点。前は4勝だったからね」と安定した成績を求める声が上がったことを話した。

 17年ぶりの4横綱時代を迎えた春場場所で唯一、休場した横綱白鵬(32=宮城野)に北村委員長は「若干衰えたんじゃないか、と言う人もいる。まだまだきちっと体調整えて出てくれば、成績をあげられる横綱だと思うので頑張って欲しい」と話した。