歴代最多1048勝を挙げた横綱白鵬の姿を、家族も間近で見守った。4人の子どもたちと一緒にこの日、名古屋に到着した妻紗代子さんは花道で勇姿を見届けた。けがに苦しむ姿もそばで見て支えてきただけに、喜びもひとしお。今後は「やれるところまで、納得できるところまで頑張ってほしい」と願っていた。

 「白鵬メーター」の数字を1048へと替えてくれたのは、長男真羽人(まはと)くんだった。長女愛美羽(あみう)ちゃんや次女美羽紗(みうしゃ)ちゃんも寄り添う。昨年12月に誕生した三女真結羽(まゆは)ちゃんは抱っこされながら、しっかりと“パパ”を見つめていた。家族総出で見届けた歴代最多への高み。紗代子さんは「本当にうれしい。うれしいのひと言です」と目を潤ませた。

 1047勝で魁皇に並んだ前日、電話がかかってきた。会場から車に乗ってすぐの白鵬からだった。紗代子さんは電話をスピーカーにして子どもたちに聞かせた。「パパ、やったよ! あと1勝、頑張るから、明日まで待っててね」。

 長女の学校帰りを待って訪れた名古屋。5人で花道から見守った。引き揚げる際、気づいた白鵬が子どもらに手を伸ばした。その手は紗代子さんのほおもなでた。感謝の思いが届いた。

 「けがや手術もあって、一時はどうなってしまうのかというのもありました。でも、新しい目標に向かって頑張っていた。それが実って本当にうれしい」。そして今後について「まずはけがや病気がないように。本人がやれるところまで、納得できるところまで頑張ってほしいです」。信じる家族の支えが、白鵬に力を与えている。【今村健人】