大相撲の元横綱日馬富士関の暴行事件に揺れる中で実施された冬巡業は17日、沖縄県宜野湾市での興行で全12日間の日程が終了した。信頼回復への第一歩となる巡業を終え、暴行が起きた酒席に同席していた横綱白鵬関は「ファンの人が喜んでくれて良かった」と感謝した。

 事件は10月下旬の秋巡業中に起きた。被害者の平幕貴ノ岩関の師匠で日本相撲協会の貴乃花巡業部長(元横綱)に代わり、責任者を務めた春日野広報部長(元関脇栃乃和歌)は協会あいさつで謝罪を続けた。春日野広報部長は「(集客を)心配していたけど、たくさん入っていただいてありがたい。力士はそれぞれ自覚を持った行動をしてもらったと思う」と総括した。

 一方で、協会から貴乃花部屋への再三の要請にもかかわらず、休場に必要な貴ノ岩関の診断書は未提出。白鵬関を脅迫する封書が届くトラブルもあった。暴行事件の影響が強く残る中、力士たちは帰京し、初場所(来年1月14日初日・両国国技館)に向けた調整を進める。酒席に同席していた横綱鶴竜関は「できることを精いっぱい、務めていきたい」と語った。