大相撲の貴乃花親方(45=元横綱)が、100人近い親方衆に謝罪した。28日、大阪市で行われた臨時年寄総会に出席し、元横綱日馬富士関の傷害事件以降、協会側と対立してきた言動について反省の弁を繰り返した。

 貴乃花親方は新体制での職務として、審判部に配属された。八角理事長(元横綱北勝海)は配属の理由について「人気というものがあると思いますので、ぜひ見ていただきたい。お客さんの前で仕事ぶりを見て欲しいと思いました」と説明した。

 審判部長には、貴乃花一門の阿武松親方(元関脇益荒雄)を任命した。新理事としては抜てきとも言える大役で、貴乃花親方の上司に相当する役職になる。ファンの目に触れられながら土俵下で勝負を見守る審判は「花形」とも言われる。貴乃花親方は審判部長の経験もある。八角理事長ら執行部による一定の配慮も透けて見えた。

 何より、八角理事長が「仕事ぶりを見て欲しい」と話した通り、今後も協会の一員として認めていることの表れでもある。処分を協議する理事会で、解雇に相当する契約解除は避けられる見通しだ。

 八角理事長は「100年先も大相撲の文化を残していきたい。協会員全員で力を合わせていきたい」と、一致団結を強調した。