大相撲の横綱白鵬(33=宮城野)が、悲しみを乗り越えて横綱の責任を果たした。春巡業は10日、長野・伊那市で行われた。前日9日に父ジジド・ムンフバトさんが76歳で死去したが、ぶつかり稽古で地元長野県出身の関脇御嶽海に胸を出し、土俵入りと横綱鶴竜をつり出して破った取組では観衆を沸かせた。

 宮城野親方(元前頭竹葉山)が、父を亡くした弟子の白鵬の心中をおもんぱかった。この日朝に電話で話したといい「いろいろあるけれども頑張らないといけない、頑張るでしょう」と神妙な面持ちで話した。また「(闘病で)日本にいた父を『帰らせたい、帰らせたい』と言っていた。直接は言っていないけども、せめて死に場所はモンゴルで、という意味だったと思う」と明かした。