大相撲夏場所(5月13日初日、東京・両国国技館)で大関昇進を狙う関脇栃ノ心(30=春日野)が1日、東京・両国の春日野部屋で、番付発表後の初稽古を行った。

 土俵周りで四股や柔軟などで準備した後、幕下以下の若い衆4人を相手に胸を出した。4月の春巡業で十両力士相手に行ったように、受けて立ち俵まで押させ、そこから反対側の土俵まで寄り戻したり、左右に転がす稽古。申し合いや三番稽古のような、通常の立ち合いから相撲を取る稽古は回避した。それでも25分間で34番、みっちり汗を流した。

 稽古後、栃ノ心は3月の春場所の正代戦で痛めた右肩をアイシングしながら取材対応した。本人の話によれば、まだ患部には痛みが走り「亜脱臼のような感じかな? ズレている」と感覚を説明した。春巡業中もマッサージ、針、電気治療など施していたが「日によっていい時もあるし、痛い時もある」という。師匠の春日野親方(元関脇栃乃和歌)からは無理をしないように伝えられているといい、場所までにMRI(磁気共鳴画像装置)検査を受ける可能性も示唆した。

 ただ、そんな状態でも春場所は10勝を挙げ、春巡業も稽古をこなしてきた。「痛いの何のと言ってる場合じゃない。これから何年、相撲を取るか分からないけど(大関とりの)チャンスは来ないかもしれない。これが最後(のチャンス)と思って、落ち込まないでしっかりやりたい」と前向きな姿勢で話していた。