大相撲の二子山部屋が1日、埼玉・小鹿野町の二子山で行われた、登山事故防止キャンペーンに初参加した。「二子山」というつながりはもちろん、二子山親方(元大関雅山)が、同じ埼玉県の所沢市に4月に部屋を構えたこと、5月の夏場所で初土俵を踏んだ颯雅が同町出身だった縁もあった。さらに二子山親方が現役だった武蔵川部屋時代に、弟弟子だった元前頭剣武の宮本一輝さんが、家族とともに同町で「宮本荘グループ」という旅館など複数の宿泊施設を経営。現役時代から仲が良かったことで実現した。

 参加した二子山親方と力士3人は、秩父山地にある標高1166メートルの二子山の山頂にほど近い登山道入り口で、登山家らに事故防止を訴えるキャンペーングッズなどを配布した。「もともと二子山という山があるのは知っていた。ただ、どこにあるかまでは知らなかった。『二子山』という名跡と、何かしら由来があるのかなと気になってはいたので、せっかくそういう山が近くにあるなら行ってみたいと思って」と話し、有意義だったという。続けて「山に来ることはあまりないけど空気がおいしい。景色もきれい」と、気持ちよさそうに話した。

 宮本さんは「颯雅が入門する時に『ぜひ(二子山に)来てください』と話していた。実際に来てくれて、地元の人たちも喜んでいます」と、今も交流のある兄弟子に感謝した。小鹿野町の森真太郎町長は「これを機に二子山部屋の力士の方々が、ますます活躍してもらえれば」と、今後を楽しみにしている様子だった。 5月の夏場所で、ようやく部屋を構えてから最初の本場所を終えた二子山親方は「最初の場所としては(弟子の)成績もよかった。こっちはバタバタだったけど、力士は頑張ったと思う。どんどん上を目指してほしい」と、まだ初土俵を踏んでいない力士も含めて7人の弟子の成長を期待していた。