大相撲の九州場所で初優勝を飾った小結貴景勝(22=千賀ノ浦)が17日、母校の埼玉栄高で会見を行った。同日行われたパレードと優勝報告会には、高校時代の恩師で相撲部の山田道紀監督(52)の姿もあった。

優勝報告会では約3000人の埼玉栄中・高の生徒に拍手で迎えられ「自分のためにたくさんの人に祝福していただき、本当にありがたい」と感謝した。

埼玉栄はインターハイの団体戦で10度の優勝回数を誇る相撲名門校。貴景勝も「高校の時は山田先生を胴上げしたい、恩返ししたい気持ちが強かった」というが、高校3年のインターハイは優勝を逃した。九州場所の優勝で恩返しになったか、と問われると「それは自分が決めることではない。もっと栄(母校)のためにできることを頑張りたい」と謙虚に話した。

一方で山田監督は「十分ですよ」と、弟子の偉業に目を細めた。

優勝した九州場所では、初日から千秋楽までの15日間、同校の化粧まわしを着用した。「普通は中日で替えたりもするんですけどね。験担ぎもあると思うけど、その気持ちがうれしいです」と山田監督。

化粧まわしは同校のスクールカラーのオレンジを基調とし、校訓「今日学べ」が刻まれている。埼玉栄高の町田弦校長(58)も「土俵入りの化粧まわしを見るたびに誇りに思う」と話した。