かど番大関栃ノ心(31=春日野)が8敗目を喫して負け越し、2度目の大関陥落が決まった。妙義龍に左前まわしを許し、右後ろに回り込もうとした時、左かかとが土俵を出た。「滑って“あっ”と思ったけど、土俵の中か外か分からなかった」と相撲を取り続け、行司に止められた。

最初は春場所負け越しで陥落し、夏場所10勝5敗で返り咲いた。今回は名古屋場所を途中休場してかど番となり、2度目の屈辱だ。「悔しいよね。一生懸命やってきて残念だけど、この結果しか残せなかった」。

古傷の右膝をはじめ、体中は故障だらけだ。「なかなかまわしが取れない。自分の形に持ち込めないからね」。それでも、戦う。

現行のかど番制度になった69年名古屋場所以降、大関から2度陥落後も現役続行した力士は魁傑、貴ノ浪、栃東で、栃東だけが2度の大関に返り咲いた。栃ノ心は「神様が2度チャンスをくれたと思って頑張ります」。九州場所で2人目のケースにチャレンジする。