大相撲の佐渡ケ嶽部屋に所属した元序二段・琴孝玉(ことこうぎょく、29)の宇留賀(うるが)響さんが、23日開票の松本市議選で初当選を果たした。一夜明けた24日に取材に応じた宇留賀さんは「本当にうれしいと同時に、責任の重さを強く実感しています」と気を引き締めた。

長野・松本市出身の宇留賀さんは長野・豊科高卒業後、佐渡ケ嶽部屋に入門。12年春場所で初土俵を踏み、およそ9年間の現役生活を経て21年秋場所を最後に引退。最高位は東序二段13枚目(18年初場所)。その後故郷に戻り市立博物館で働いた後、衆院議員で自民党の務台俊介氏の私設秘書になった。

務台氏を支える中で、「地元のために汗水流して働く姿に憧れた」と政治家の道に転身することを決意。「生まれ故郷に恩返ししたい」と松本市議選に無所属として出馬した。新人候補ながら地道な選挙活動を続け、見事1608票を得て当選を果たした。

現役時代の師匠だった佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)から当選を祝う連絡を受けたと喜び、「選挙活動を戦う上で、佐渡ケ嶽部屋で肉体的にだけでなく精神にも鍛えられた経験が生かされました」と感謝。元力士として今後地元のスポーツ振興などに力を注ぐ考えを示し、「相撲部屋の合宿を誘致したり、子どもたちに本物と触れ合える機会を作ってあげたい」と意気込んだ。【平山連】