AKB48小嶋陽菜(28)は、とことん予想の上を行くエンターテイナーだ。3月31日にAKBメンバーとして最後の「ミュージック・ステーション」に出演し、3曲を披露した。驚いたのは、自らプロデュースした演出だったということだ。

 06年に初めて同番組に出たときの楽曲「スカート、ひらり」を、渡辺麻友、柏木由紀、指原莉乃、松井珠理奈、山本彩、横山由依を従えて歌った。メンバーも、歌唱パートの歌割りも、小嶋の選択だという。割と世間に名前が知られたメンバーを前面に押し出したのは、視聴者を引き留めておきたい意図からだろう。

 続いて歌ったのは、小嶋の持ち曲とも言える「ハート型ウイルス」。AKBファンやコンサートに行ったことのある人には知られている人気曲だが、一般的な認知はさほど高くないはず。それを、オシャレな控室をイメージしたセットで、ソロ歌唱した。曲が分からなくても楽しめるような、絶妙な味付けを施した。そのセンスに脱帽だ。

 圧巻は最後に参加したシングル曲「シュートサイン」を総勢118人で踊った。「大人数だと迫力があるから」という本人の強いリクエストだったという。確かに、右手を振るサビの振り付けがピッタリそろい、グランドフィナーレにふさわしい圧巻のパフォーマンスだった。

 曲の意味や魅力を理解し、どうしたら見てもらえるかまで熟考を重ねた演出だった。小嶋は2月の卒業コンサート「こじまつり」も自己プロデュースし、笑いあり涙ありのステージに仕上げた。秋元康総合プロデューサーも「今までの卒コンで一番良かったんじゃない?」と絶賛されたという。

 こんなに演出の才能があるなら、他のコンサートも演出して欲しかった。本当に惜しいメンバーがAKBから去っていく…なんて思っていたら、小嶋はこの日、昨年の第9回AKB48選抜総選挙に立候補して16位になった「にゃんにゃん仮面」の公式ツイッターを約6カ月ぶりに更新した。「どうも、シーサー仮面です!」。まさか、卒業が決まっているのに、総選挙に立候補? この記事の締め切り時点で結論は出ていないが、最後の最後にきっとおもしろい仕掛けを用意しているに違いない。