北海道函館市を舞台とした高倉健さん主演の映画「居酒屋兆治」や06年公開の「日本沈没」に登場した函館港の造船用大型クレーン2基が、今月下旬に撤去されることになった。函館港のシンボルとして親しまれてきただけに、市民から撤去を惜しむ声が出ている。
クレーンは旧函館ドック(1999年特別清算)が大型タンカー建造のため75年に設置。2基はそれぞれ高さ約70メートル、幅約110メートル、重さは約2000トンで門のような形だ。
ここで25万トンのタンカー3隻が建造されたが、造船不況で土地ごと売却され、転売を経て2004年に市の土地開発公社が購入した。市は再開発事業の一環でクレーン保存も検討したが、腐食などによる老朽化が進み、倒壊の恐れがあることが判明。補修には5億円以上かかるため断念した。
市民の間では保存を訴える署名運動なども起きたが、市は今年3月、クレーンの撤去を前提に民間企業に土地を売却。クレーンは解体され、鉄くずとして売られる。
保存運動をしていた北海道産業考古学会の山田大隆会長は「市民や観光客に愛された港町の象徴だった。壊してしまうと復元できないので非常に残念だ」と話している。(共同)




