第59回ベルリン国際映画祭で13日、日本から出品の園子温(その・しおん)監督(47)の「愛のむきだし」が、革新的なテーマを創造的な手法で描いた作品に贈られる「カリガリ賞」と「国際批評家連盟賞」をダブル受賞した。

 両賞はいずれも映画祭事務局と別の外部組織による賞。カリガリ賞は、若手監督の登竜門であるフォーラム部門で上映された作品から選考。同連盟賞は外部組織の中でも権威ある賞だ。

 「愛のむきだし」は敬虔(けいけん)なクリスチャン一家に育った青年(西島隆弘)が主人公。盗撮に没入し、女装していた時に出会った女性(満島ひかり)との恋愛を、237分にわたって描いている。

 園監督はカリガリ賞に関して「このような賞を受賞するのは夢でしたので本当にうれしい。この会場にいないのが残念」。連盟賞には「自分の作品が選ばれたことを光栄に思う」とコメントした。

 園監督は、愛知県豊川市出身で17歳で詩人としてデビュー。法大時代から映画も製作し、94年「部屋」がサンダンス映画祭審査員特別賞を受賞している。