映画「桜田門外ノ変」(10月16日公開、佐藤純弥監督)の完成報告会が25日、茨城県水戸市内の撮影地「桜田門オープンセット」で行われた。体感温度45度に達する炎天下にもかかわらず、抽選で約2000人の地元市民が参加。体調不良を訴えた約10人が医務室へ運ばれる灼熱(しゃくねつ)地獄の中で、主演大沢たかお(42)らキャスト陣に声援を送った。同セットの見学者は13万人に達し、水戸市民の映画フィーバーが続いている。
年配の映画ファンは、直射日光との戦いを強いられた。視界を妨げる日傘の使用は禁じられ、帽子姿やハンカチを頭に乗せる様子が目立った。約10人が医務室に運ばれたが、水戸市民は熱心に声援を続け、ウチワを振った。主演の大沢は「こんなに暑いところでのイベントは初めてで、忘れられない日になりました。こんな炎天下なのに、たくさんの人が集まって、驚きました」と目を丸くした。この日夜に水戸市内の映画館で上映会が行われたが、「ここで上映会をやると、皆さんが干からびてしまう」と話し、笑いを誘った。
ファンが炎天下でも我慢できるのは、地元で作った映画という誇りがあるからだ。約2年前に「桜田門外ノ変」映画化支援の会が立ち上がった。地域振興や観光客誘致につながる映画を作ることが目的。水戸浪士を中心にした18人が江戸幕府の大老井伊直弼(なおすけ)を襲撃した、1860年の「桜田門外ノ変」を題材に選んだ。
水戸市の千波湖畔に総工費2億5000万円をかけ、江戸城の桜田門周辺を再現したオープンセットを建設。地元市民が炊き出しなどのボランティアを務め、地方創生映画の製作をアシストした。
佐藤監督は「映画を作る時に、茨城県庁の人に『茨城県の知名度は全国45位。残念なんで知名度を上げたい』と言われた。この映画で少しでも知名度が上がってくれれば」と期待した。この日登壇した本田博太郎が水戸市、渡部豪太が日立市と、茨城県出身俳優が並んだことも客席を盛り上げた。オープンセットは撮影終了後、2月20日から一般公開を開始。来年3月までの期間限定だが、すでに13万人が見学したという。
高校野球茨城県大会は26日に準決勝が行われる。W杯が終わりJ2水戸のリーグ戦も再開されたが、スポーツをしのぐ映画ブームが水戸市内でわき上がっている。【柴田寛人】



