史上最大の1万8152人が映画のアフレコ収録に参加した。韓国映画「TSUNAMI-ツナミ-」(9月25日公開)の吹き替え収録が29日、横浜市内の日産スタジアムで行われた。

 午後5時、気温30・8度の暑さの中、Jリーグの横浜-新潟戦の開始1時間前に実施された。本番収録時間は1分。ゴール裏など同スタジアムの中に、360度対応の集音マイクを9個設置。高さ100メートル、時速800キロのメガ津波に襲われた群衆が逃げ惑うシーンをスクリーンで映し、集まった観客が「津波だ!

 逃げろ!!」「助けて」「ぎゃあ」など、日本語で絶叫した。

 同映画は、大勢の海水浴客でにぎわう韓国の観光地・海雲台(ヘウンデ)で大津波が発生するというストーリー。映画撮影時には、約3000人のエキストラが参加した。津波のCG製作のために5年を費やし、リアルに見せるだけでなく、人々の感動ドラマを織り交ぜた。昨年7月公開の韓国では、歴代4位の観客数(約1300万人)を記録し、同国の4人に1人は見たことになる。日本でも作品を堪能してもらうため、字幕を使わず、日本語吹き替え版のみを約200館で上映することを決めた。

 アフレコ収録の過去の人数記録は不明。最も大人数での歌のレッスンとして、6651人というデータがある。今回は、人数のカウントがすぐにできないという理由でギネス協会の審査員は立ち会わず、映像とともに申請をする。世界最多記録達成の日も近い。

 この日は、タレント柳沢慎吾(48)が、同収録の応援ゲストとして参加した。警報が鳴る中、得意の「ウ~ウ~」というサイレン音を発しながら登場。「実家が小田原なので津波の恐怖は知っている。この映画を見て、地震国日本がいつ津波が来てもおかしくないということを考えてほしい」と、安全対策について呼び掛けた。