日本では元プロ野球選手の清原和博容疑者が、覚せい剤所持で逮捕されたというニュースがメディアを賑わしていますが、ここハリウッドでも薬物に手を出した過去を持つ大物スターがいます。えっ、この人も? という意外なスターにも、薬物使用の過去があったりします。そんな薬物使用の過去を持つスターたちをまとめてみました。

 まずは子役から。ハリウッドでは幼くして一躍有名になった子役の多くはその後、薬物に手を染めて転落人生を歩む傾向があります。ドリュー・バリモアもその1人。生後11カ月からテレビCMなどに出演していたバリモアは、7歳の時に出演した「E.T.」(82年)で一躍天才子役として脚光を浴びます。しかし、私生活では学校に通うことができずに勉強についていけず、大人ばかりの世界で育ったことで、9歳から飲酒や喫煙を始め、10歳になると大麻にも手を出したといいます。そしてなんと12歳でコカインを使用するようになり、その後は自殺未遂を起こす典型的なハリウッドの転落人生を歩んできました。しかし現在は、私生活では12年に結婚して1児の母となり、女優としてもヒット作「チャーリーズ・エンジェル」シリーズに出演するなどすっかり立ち直っています。子役といえば「ホームアローン」のマコーレー・カルキンも薬物中毒だったことで有名。2004年に規制薬物と大麻所持で逮捕されたほか、2012年にもヘロイン中毒で余命6カ月とナショナル・エンクワイアラー誌が報じるなど、常に薬物使用疑惑が付きまとっています。

 ハリウッドスターのドラッグにまつわる死亡事件として真っ先に思い浮かべるのは、リバー・フェニックスさんとホイットニー・ヒューストンさん。「スタンド・バイ・ミー」(86年)で一躍人気スターとなったフェニックスさんは、93年にハリウッドにある当時ジョニー・デップが共同オーナーの1人だったナイトクラブ「バイパー・ルーム」でヘロインとコカインの過剰摂取で心不全を起こして23歳の若さで死亡する事故が起きました。当日、一緒にいたといわれる友人のデップも、10代でドラッグを使用した過去を持っています。ヒューストンさんは、元夫のボビー・ブラウンとの結婚を機に薬物に手を出すようになったといわれています。2人は一緒に薬物を使用してセックスをしていたといわれ、ヒューストンさんはハワイの空港で大麻所持で逮捕されたり、激ヤセや奇行でメディアを騒がせてきました。そして、2012年にビバリーヒルズのホテルの浴室でコカインを使用したことが原因で溺死する事故が起こりました。その1年後には娘ボビー・クリスティーナ・ブラウンさんも母同様に自宅の浴槽で意識不明で発見され、体内からはコカインが検出されたと報じられました。

 今やハリウッドでもっとも稼ぐ俳優として知られるロバート・ダウニー・Jrですが、なんと8歳の時に初めて薬物を使用し、その後はヘロインやコカイン所持で繰り返し逮捕され、服役とリハビリを繰り返す麻薬中毒だった過去があります。仮出所後にテレビドラマ「アリー my Love」に出演し、ゴールデン・グローブ賞を受賞。しかし、放送中の2001年にコカイン所持で再逮捕され、番組を途中降板。1年のリハビリを命じられ、03年にメル・ギブソンが製作した映画「歌う大捜査線」で復帰。これを機に薬物からきっぱり足を洗い、以後は一切手を出していないと言います。その後は「アイアンマン」(08年)の大ヒットで名実共にトップスターとして活躍しています。

 他にもアンジェリーナ・ジョリーが、90年代にヘロインやコカインを使用していたことを告白していますが、マドンナやレディー・ガガらも過去に薬物を使用していたことを認めています。「カポーティ」(05年)でオスカーを受賞するなど役者として高い評価を受けながらもヘロイン中毒で亡くなったフィリップ・シーモア・ホフマンさんもそうですが、トップスターであり続けるための重圧やストレスから薬物に手を出すスターも少なくないのがハリウッド。最初は鎮痛剤、睡眠薬などの処方薬や大麻から始めて薬物中毒となり、徐々にエスカレートして麻薬にたどり着くケースも多いといわれています。一方で、周囲の勧めなどでリハビリ治療を受けて更生するスターも多く、毎年多くのスターがリハビリ治療を行っているのが現実です。

【千歳香奈子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「ハリウッド直送便」)