73歳、毒舌のいじわるバアさんが写真館に入ると、なんと20歳になってもうた! 孫のバンドでボーカルになると、音楽プロデューサーにほれ込まれ…。オリジナルは14年に日本でも公開された韓国映画。主演のシム・ウンギョンが秀逸やったけど、多部未華子もええ味出してる。

 多部ちゃんは不思議な役者と思う。デビュー当時は二枚目路線やったけど、正直そないべっぴんでもない。今は力が抜けてきて、二枚目半がええ具合や。“少女の皮をかぶったおばあちゃん”として、適度なババくささも上手に出してる。高飛車なシーンも“女王様風”で笑えた。歌は自前。スローな曲は往年の薬師丸ひろ子みたいな声。ポップな曲の方がええかな。サントラ盤買いたなった。

 多部ちゃんの“年上の娘役”小林聡美はいつ何時でも、ほれぼれする。小林も大昔、映画「転校生」で“少女の皮をかぶった男の子”いう不思議な役を演じた。見た目は三の線(失礼!)やが、二の線も平気でこなす。2人の心が通じ合うクライマックスは涙腺やばかった。後輩と、目標になりそうな先輩。この2人好きやわ~。【加藤裕一】

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